症状別改善例
脳梗塞後遺症
片麻痺
通常、右または左のどちらかの脳の血管が詰まり神経細胞がダメージを受けてしまった結果、脳からの伝達が滞りシビレや痛みを伴う麻痺が片方の体全体に起こる状態を言います。
また、この他にも左右の脳の間などに発症した際には、全体的に麻痺症状がみとめられる事もあります。
脳が体をうまく制御できなくなる為に、手脚の筋肉を自分の意思で動かすことが困難になって、曲がったままになってしまう傾向があります。
これを痙縮と言い、典型的な片麻痺の症状の一つになります。
残念ながら一旦ダメージを受けてしまった神経細胞は、もう二度と元には戻ることはないのですが、 その傍で生き残った神経細胞たちがその代わりを務めるために新たな神経の流れみちを作ることは出来るのです。
ダメになってしまった神経の通りみちのバイパスを、新たに作るイメージです。
通常は、リハビリで頑張って体を動かすことで脳に刺激を入れ、その新たな神経の通り道となるバイパスが作り直されるように促していくのです。
三鍼法では、これに加えて東洋医学の氣血の流れを促すという考え方で、脳の神経細胞を元気に活性化して更に早く効率的に神経の通り道のバイパスを作り上げるメソッドとなっています。
また、一般的なメディカルなリハビリ施設で見落とされがちなこととして、麻痺に伴う筋力低下や知覚障害(痛みやシビレも含む)は純粋な脳梗塞後遺症ばかりによるモノばかりとは限らないということがあります。
確かに、脳がダメージを受けたために、手脚を主とした問題が生じていることは必ず少なからずあると思います。
しかしながら、それだけでなく麻痺などによって不自由な生活を強いられたために生じた、姿勢の歪みや筋肉の緊張のために痛みやシビレ・筋力低下や知覚障害をみとめられることがあります。
実は、これは想像以上に片麻痺を患われている患者様の症状に影響しており、これらが見過ごされていて機能回復が遅れているケースが非常に多いと実感します。
実際には、例えば手脚に力が入らないと訴えておられる患者様が、普段はできない手脚の動きが、ふとした瞬間にできる時があるけれどまたできなくなってしまう…
と言われるケースを多く聞くことがあるのです。
この現象は、脳でダメージを受けた神経細胞が、新たなバイパスを既に構築できていることの現れなのです。
脳のダメージが回復していなければ、一瞬たりとも手脚がよく動くというようなことはあり得ないでしょう。
それだけに、動けた時間は一瞬だとしても、動けたその事実は脳の回復を示す証拠と考えてもいいのではないでしょうか。
しかし今現在は、やはり手脚の自由が効かなくなっているのは、どういうことなのか?
これには、脳梗塞を発症してからベッドで寝ている時間が長くなって、身体中の関節の可動性が低下していることと、それによって末梢神経障害と同様のメカニズムで筋力低下や過緊張状態をはじめとする症状を発症しているということ。
仮に、リハビリで多少運動をしたとしても、その運動は麻痺を伴うために非常に不自然な体勢にならざるを得ず姿勢の歪みや骨のズレが生じていることになるのです。
またこのような体の状態と、病後のメンタル的なダメージによって、東洋医学的な観点からも気の流れが滞っていると見ることができるのです。
つまり、脳梗塞後遺症の片麻痺の機能回復には、純粋に脳梗塞による影響からの問題のみが原因としてあるのでは無い。
脳の回復と同時に、姿勢の歪みとそれに伴う骨のズレを改善し氣血の流れも促していけば、一般的なリハビリのみを行う場合よりも更に改善を見込めるようになることが出来るようになるのです!
当院で「片麻痺」の施術を受けられた患者様の経過と声
脳梗塞の後遺症(右手痙縮)が改善されてきて希望を取り戻せた! 40代 男性 自営業
症状
- 3年前に脳梗塞を発症されているケース
- 後遺症として、当初から右手の痙縮(腕~手が緊張して動きにくい状態)が認められた
- 右手の痙縮をはじめとする後遺症は、比較的軽度であったために、1カ月という短期間で退院されている。(個人的な事情がおありだったとのこと)
- 幸い利き手が左手であったこともあり、出来る範囲で職場にも復帰するものの、後遺症の右手の動きは不自由なままであった
- 不自由な生活を送る中で、全身的な身体の緊張とアンバランスな姿勢の歪みも認められ、さらに痛みやしびれ・運動制限などが発症している(肩こり・腰痛なども辛いとのこと)
- デイサービスでリハビリを受けているが、現状維持を目的とした施術である(さらなる改善の見込みはないと説明されていたとのこと)
経過
- 施術開始当初は、効率よく早期改善・お体の安定化を図るために、集中的な頻度で施す(週に1~2回)
- 1~5回目:体のバランスが整いつつあり、それに伴って全身的な痛み・しびれ・運動制限などの諸症状は緩解しつつある。右手の痙縮も、徐々に改善傾向にある
- 6~10回目:下半身において、股関節や足首の可動性が回復、上半身では肩関節・肘関節・手関節の可動性が改善。(右手の痙縮は、徐々にではあるものの、さらに緩解し手指の動きにも変化が認められる様になっている。
- 発症後3年が経過しており、発症直後に十分なリハビリが出来ていなかったために、後遺症自体は経度であった割には、お体の状態は思わしくなかった。
- さらに、現状の施術頻度で更なる改善を目指していく